水虫は、足の指の間やかかと・爪の他にも色んな部位に感染して、私たちを苦しめます。
水虫にかかってしまった女性せっかく治療していても再発したり、治るどころか他の部位にうつって患部が増えていたりと、非常に厄介な病気です。
症状はさほど大きくないとは言え感染力が高く、放置すれば感染者が増える危険性が高まります。
ここでは水虫の種類とその症状の特徴、感染する原因についてや症状が進行するメカニズム、そして水虫の治し方や予防する方法に関して学んで完治を目指しましょう。

水虫ってどんな種類がある?

水虫の症状水虫の原因菌は、真菌と呼ばれるカビの一種・白癬菌です。
皮膚糸状菌に分類されており、皮膚表面だけでなく角質の奥深くに根ざして潜伏します。
なかなか治らないイメージが定着しているのは、この潜伏する範囲が広いことに関係しています。

原因菌である白癬菌は、一般的な発症部位である足の指や爪以外にも、身体のあちこちに感染する菌です。
部位によって感染する種類が異なり、それに伴い症状が異なります。

足水虫
最もメジャーな水虫は「足白癬」によって引き起こされる足水虫です。
足の中でも部位によって症状が異なり、さらに趾間型・角質増殖型・小水疱型といった型違いが存在します。
趾間型
文字通り足の指の間において発症するもので、皮膚表面が赤く変色したのち、白くふやけて皮がむけるのが主な進行順です。 かゆみを発症し、白くふやけた皮をかきむしるとただれて、液が出てしまいます。 足の裏の中でも特にかかとに発症しやすいのが角質増殖型で、かかとの角質が硬く厚くなり、かゆみこそないもののザラザラに乾燥して皮がむけるのが特徴です。 足の裏や縁に小水疱・膿疱が発生して強いかゆみを伴うのは、小水疱型に分類されます。
爪白癬・手白癬
爪に発症する爪白癬と手に発症する手白癬です。 爪白癬の場合、爪全体が白くなり、表面に縦じわが現れます。 手白癬は、足の水虫と同様の症状が見られます。 足の指や爪など感染した箇所を触った手を洗わずに放置していて、感染する場合もあるため注意が必要です。
ぜにたむし(体部白癬)
これも同じく水虫の仲間に数えられます。 顔面の皮膚や耳をはじめとして、身体のあらゆる部位に感染しやすい厄介な菌です。 米粒ほどの大きさの湿疹ができて、次第に周囲が大きく広がって炎症やかゆみを伴う症状です。
いんきんたむし(頑癬)
白癬菌の仲間とされ、10代後半から20代にかけての男性によく見られます。 ぜにたむしのように感染部位の周囲から円状に広がって赤色の斑点が見られ、強いかゆみが特徴であり、下腹部や臀部にも転移します。
しらくも(頭部白癬)
手や足だけでなく、「頭部白癬」と呼ばれる種類が頭部に感染することもあり、「しらくも」という病名で呼ばれます。 感染すると、頭部にかゆみが発生したのち円形・楕円形の脱毛痕へと発展します。 成人よりも、子どもに感染者が多い傾向にあります。

不潔だから水虫になるの?

水虫の原因菌である白癬菌は、カビの一種であり細菌と同様に高温多湿の環境を好みます。
そのため、患部や患部付近をきちんと洗わなかったり、洋服や靴などを頻繁に交換せず不潔にしていた場合、確かに白癬菌は活発化して症状が進行しやすくなります。
しかし、不潔にしていると感染するという表現は語弊があります。
正確には、共用部の衛生面を清潔に保っていないと、他者から感染しやすい状態を自ら作り出してしまうということです。

白癬菌は、本来は土の中に棲んでいましたが進化を遂げて、いつしか人間の皮膚へと潜り込み、皮膚の最外層である角質の中のケラチンをエサとして棲みつくようになりました。
人間の皮膚に巣食う原因菌は、10数種類にも及ぶと言われています。
人間をはじめ、生物の皮膚表面には常在菌と呼ばれる細菌が棲んでおり、免疫力や体力が低下したり、それらが好む高温多湿な環境となった際に活発化します。
乾燥していて気温が低い冬場が発症しにくいのに対して、高温多湿になりがちな梅雨・夏場や、暖かい春や残暑の厳しい秋口に発症しやすいのはこのためです。

身近な場所での接触で感染する

それでは、どういった経路で白癬菌が私たちの体内に入り込むのかと言うと、感染者からこぼれ落ちた皮膚や垢など角質(鱗屑)への素肌の接触が原因です。
主な感染源としては、プールのタイルや更衣室の床、銭湯のマットや床といったような、不特定多数の人間の素足が触れる箇所が挙げられます。
足水虫の場合はポロポロと指の皮がむけるのが症状ですが、この皮がこぼれて床やマットの中に紛れて、他者の足に付着して感染します。
これを、キャッチボール感染と呼びます。

プールや銭湯の他、家庭内のバスマットやスリッパ、玄関の床なども感染源となり得ます。
同じように、素足からこぼれた皮膚や爪の破片が媒介となって、感染する仕組みです。
不潔だから感染するというよりは、感染しやすい環境を自ら作り出していることが原因です。

さらに言えば、菌を受け取ったとしてもすぐには症状が出ません。
生物の角質に含まれるケラチンをエサにして、増殖するまでには時間がかかります。
すぐに洗い流せばほとんど流れ落ちる上に、高温多湿の環境下でなければ増殖しません。
感染自体は誰でも起こりうることであり、共用部を清潔にすることで予防ができます。

薬を使わないで出来ることは?

水虫は一旦感染すると厄介ですが、完治は可能です。
皮膚科による診療を受けて、抗真菌薬を使用することで早く、確実に治すことができます。
これに加えて、薬を用いる他に効果的な治し方や気をつけたいことも見ていきます。

まずは、患部を高温多湿の環境下に晒す時間を減らすことがポイントとなります。
白癬菌という難しい名前がついていますが、要は他の細菌・雑菌と同じく蒸れたり汗をかいてそのままにすると活発化・増殖する性質を持ちます。
症状をこれ以上悪化させないためにも、蒸れて湿度や温度が高まらないように気を配りましょう。
足水虫や爪水虫であれば、同じ靴を毎日履かずに数足の靴をローテーションで履いたり、外出先で蒸れないようトイレなどで靴や靴下を定期的に脱ぐなど、熱や湿気がこもらないよう工夫します。

手汗をよくかく場合はハンドタオルで拭いたり、頭部の水虫・しらくもに感染している場合は帽子を被るのを避けます。
帰宅したら、足や手を洗って清潔に保つことも大切です。
指と指の間や足首・手首をよく洗い、靴も乾燥させておいてください。
皮膚表面に汗や汚れが残っていると皮膚環境はアルカリ性となり、白癬菌が活発化しやすくなります。
入浴は毎日行い、身体を清潔にして弱酸性の状態に保つことが肝心です。

共用部の衛生面は特に気をつける必要があります。
マットやじゅうたん、床は常に清潔にするのはもちろん、タオルなどを共用にするのではなく一人ずつ用意することで感染者を増やすリスクを下げることができます。
洗濯をこまめに行ったり、バスマットは濡れたまま放置しないように気をつけます。

せっかくきれいに治ってきたのに、油断して不衛生な状態へ逆戻りするとすぐに再発するのが水虫の厄介な点です。
先述の通り、白癬菌は皮膚糸状菌に分類されており、その名の通り糸のように深く広範囲に根を張ります。
いくら正しい治し方を実践していても、短期間しか実施していなければ表面上の菌を退治したにすぎず、角質の奥に潜伏する菌が表層部に出てくればすぐに症状は再発します。
表面上がきれいになったからといって油断せず、薬による治療や症状進行防止・予防対策を怠らないようにしなければなりません。

抗真菌薬を用いると、表層部の症状がきれいになくなるのは二週間前後が目安となります。
大切なのは奥に潜伏する菌の存在で、表層部の角質(皮膚)が古くなって垢となって落ち、内部から新しい角質がせりあがるというサイクルで度々菌が表出します。
このサイクルをターンオーバーと呼びますが、体内から菌が完全になくなるまで最低でも3ヶ月は様子を見て治療を続けるよう心がけましょう。